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「モラリスト × エキスパート」たちのキャンパスライフ

オリジナルの“仏像ノート”を完成させ、歴史学習や仏像研究の楽しさを伝えられる教員になりたい。

教員としての将来を見すえ、“好き”を突き詰めていく

Y.K. さん
文学部 史学科 3年
埼玉県立越谷南高等学校出身
[チャレンジ奨学生]

私は中学生のときに、将来は学校の先生になりたいと考えるようになり、当初は他大学の教育学部を志望していました。ただ、受験勉強を進める中で特に面白さを感じたのが日本史です。決して歴史オタクや“歴女”タイプではありませんでしたが、目標を中学校の「社会」と高校の「地理歴史」の教員に絞り込み、史学科志望に変更しました。現在は4年次の教育実習に向けた準備の真っ最中です。史学科では日本史の授業を多く履修し、仏教学部の先生が担当している東洋史や仏像に関する授業も積極的に履修しています。なぜなら、私はある意味“仏像のおかげ”で立正大学に入学したからです。

受験勉強では、仏像の種類をはじめとする文化領域の暗記が苦手だったのですが、塾の先生が仏像の図録を見せながら指導してくれたことが転機になりました。「仏像はどれも同じに見えるけど、人間と同様に個性がある」と教わり、確かに腕の長さや表情などに違いがあると実感しました。仏像の奥深さを感じたことで、これまで以上に日本史にのめり込んでいけました。

そして、学生生大学選びでは、高校の進路指導の先生が立正大学を勧めてくれました。英検の準2級に合格していたため、まずは英語外部試験を利用できる一般選抜のR方式で出願することを検討。すると母からは、追加で小論文試験も受け、チャレンジ奨学生の選考に挑戦することを提案されました。このとき、小論文のテーマとして瞬時に思い浮かんだのが仏像です。多くの中高生は、かつての私と同様にどの仏像も同じに見えると思うのですが、わかりやすく親しみやすい参考書があれば、興味を持って勉強できるはずと思いました。将来教員となったとき、授業の副教材として使えるオリジナルの“仏像ノート”を作りたいと思い、小論文では仏像の調査に向けた計画や、将来的な活用方法と意義、そして熱意をアピールしました。活でもう1つの軸となったのが、警察官になるための公務員採用試験対策講座です。入学後の説明会で受講すべき講座を確認し、実際の受講は3年次の4月から。法律科目のほか、「数的処理」という科目を重点的に勉強しました。最初は苦戦したものの、講師の方々がとことん細かく丁寧に、親身になって指導してくださいました。また、学部にも陸上競技部にも公務員志望者がいたため、励まし合いながら一緒に頑張れたことも合格の原動力になりました。こうした公務員試験対策の勉強や学部での課題は、空き時間を有効活用。少しの時間も無駄にせず、メリハリをつけて部活動と両立させました。時間が限られていたからこそ、集中力を高めて取り組むことができました。

こうしてチャレンジ奨学生に採用していただき立正大学に入学しました。品川キャンパスは駅から近い立地で通いやすいですし、先生方はとても優しく丁寧に授業をしてくださり、常に学生を気にかけて支えてくれます。豊富な知識で私の興味関心を広げてくれるゼミの先生や、日頃から応援してくれる両親の思いに応えるためにも、納得のいく“仏像ノート”を完成させ、仏像や歴史の楽しさを伝えられる教員になりたいです。

仏像ノートには、見て感じたありのままをまとめたい

自宅では仏像のフィギュアをズラリと並べている私。“推し”は座っているタイプの仏像です。ただ、ゼミで扱っている中世・鎌倉時代の仏像にも惹かれます。

鎌倉時代といえば力強い仏像が特徴です。奈良・東大寺の南大門にある阿形像と吽形像という大きな2つの金剛力士(仁王)像は血管が浮き出ているほどで、“コワモテ”でとても強そうな仏像です。仏像ノートには、こうした私自身が見て感じた内容をそのまま自分の言葉でまとめていく予定です。

“造像”された年代などの情報はネットや本で確認できるため、私の視点での私なりの印象を手書きでまとめ、スケッチも含めて手作り感のあるノートにしたいのです。そのために現在は、現地調査などで素材を集めている段階です。

チャレンジ奨学金が、学生の挑戦意欲を後押ししてくれる

チャレンジ奨学生に採用されると、年間50万円の学業奨励金と、年間最大40万円のチャレンジ奨学金が給付されます。私は仏像の撮影やスケッチ用にiPadを購入し、各地での調査に必要な旅費にも使わせてもらっています。

1年次には5泊6日で奈良と京都に行き、2年次にも2泊3日で京都を訪問。東京国立博物館や鎌倉などにも行きました。今後は奈良国立博物館や、“秘物”が期間限定で特別公開される寺院を訪れる計画もあります。

見たい仏像や歴史的建造物があってもアルバイト代だけでは厳しく、チャレンジ奨学金がなければ京都や奈良に何日間も行けなかったと思います。「何かにチャレンジしたい。でも、ちょっとお金がかかりそう」という受験生は、ぜひチャレンジ奨学生に挑戦してほしいです。

強みになり、自信を高め、視野も広がる資格取得

在学中の目標は、仏像ノートを完成させ、地元・埼玉県の教員採用試験に合格することです。私の感覚では、中高生が歴史や社会科を好きになるかどうかは教員次第。私が高校時代の日本史の先生と出会い、歴史を好きになれたように、一人でも多くの生徒に「歴史って面白い」と思ってもらえる教員が目標です。

そんな私にとっての教員免許と同様に、資格は何かしら取っておくといいと思います。資格は強みになり、合格の達成感や自信にもつながると思います。私の場合、教職課程で他学部の学生とも仲良くなり、コミュニティも広がりました。多くの授業で多くの学生と交流することで、知識や視野が広がった実感もありますので、これから大学生になる皆さんには、ぜひ資格取得にもチャレンジしてほしいです。


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